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相続した土地のおすすめ活用法6選|相談先や注意点も紹介

相続した土地の活用方法は、個人での利用だけでなく利益が見込める活用方法もあります。何もしなくても固定資産税がかかり続けるため、利益が出るほうが経済的負担を軽くできるのは明らかです。しかし、立地により集客が難しい場合などもあるでしょう。

そこで、さまざまな立地に対応できるよう、相続した土地のおすすめ活用法を6選にしてご紹介します。土地活用の注意点から相談先も解説するため、土地活用に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

相続した土地の活用方法

相続した土地は自家用にするだけでなく、賃貸など収益化を見込んだ活用方法もあります。本記事でご紹介する土地の活用方法は、以下の6つです。

活用方法特徴
①畑や自宅・専門知識なしでも活用しやすい・維持費が自己負担になる
②賃貸アパート・利益が見込める・入居者が見込める場所であることが必要
③駐車場・利益が見込める・賃貸に比べて建築費用を抑えやすい
④コインランドリーやトランクルーム・利益が見込める・好条件の土地でなくても経営しやすい傾向
⑤太陽光発電・利益が見込める・日当たりのよさが必要
⑥売却・一度にまとまった利益を得やすい・将来的に土地価格が上がる見込みがない場合におすすめの方法

これらの土地の活用方法を、詳しく見ていきましょう。

①畑や自宅として活用する

相続した土地は、そのまま畑や自宅として活用が可能です。相続者自身やその家族が活用することで、空き地や空き家のリスクも減らせます。

家庭菜園をしたり子供の遊び場にしたりできますが、この活用方法では収益を生みません。固定資産税などの維持費が自己負担になることは理解が必要です。

②賃貸アパートを経営する

賃貸アパートを経営すれば、利益を見込んだ活用が可能です。短くても1~2年ほどは同じ賃貸に住み続ける入居者も多く、安定した利益を生み出しやすい活用方法だといえるでしょう。

ただし賃貸アパートを運営するのにかかる費用は、建物の建設にかかる費用だけではありません。その後は維持費や入居者の募集費用など、諸経費がかかり続けます。

赤字とならないよう、継続した入居が見込める場所かどうかなどを見極めることが大切です。

③駐車場を経営する

利益が見込める土地活用方法として、駐車場経営があります。アパート運営などに比べて建設費用を安く抑えやすいため、初期費用を抑えたい方におすすめです。

駐車場といっても、月極め駐車場とコインパーキングの2つにわかれます。

コインパーキングのほうが多くの利益を得られる可能性があります。しかし必要な設備も多く、場所によっては利用者が集まりにくいかもしれません。

相続した土地の環境を適切に判断し、どちらが適しているのか検討しましょう。

④コインランドリーやトランクルームを経営する

利益が得られる土地活用の方法として、コインランドリーやトランクルームがあります。賃貸経営を行えるほど条件の良い土地でなくても、これらは経営しやすい傾向です。

経営のすべてを自ら行うだけでなく、フランチャイズ契約して経営を委託する・サブリースとして土地だけ貸し出すといった経営方法があります

コインランドリーの場合は建設費用のほか、経営にかかる電気代や水道代・設備投資メンテナンス費がかかります。赤字にならないような収支計画が必要です。

⑤太陽光発電を設置する

日当たりがよく土地が広めであれば、太陽光発電を設置できます。発電した電力は売却し、利益にすることが可能です。

集客が必要ない活用方法のため、長期的に安定した利益が見込めるのがメリットです。事業用の太陽光発電であれば、20年間は固定の金額で売電収入も得られます。

田舎などで集客は見込めないけれど、日当たりのよい土地が広く余っているような場所に適した活用方法です。

⑥売却する

土地を活用するのがどうしても難しいようであれば、売却も選択肢のひとつとなります。継続的な収益は見込めなくなってしまいますが、売却時には一度にまとまった利益を得られるのがメリットです。

土地活用の予定がなくても、所有しているだけで固定資産税はかかり続けます。活用予定がないうえ将来的に土地価格があがる見込みがない場合は、早めに売却するのがおすすめです。

相続した土地の活用方法を選ぶための3つのポイント

相続した土地を有効活用するためには、相続した土地の状況に合わせた活用方法を考える必要があります。

相続した土地の活用方法を選ぶための3つのポイントは、以下のとおりです。

  • ● 相続した土地の周辺状況・需要を知る
  • ● 相続した土地の種類を考慮する
  • ● 節税効果が高い方法を選択する

これらについて、詳しく解説します。

相続した土地の周辺状況・需要を知る

相続した土地の活用方法を決めるうえでまず着目すべきは、土地の周辺状況と需要です。立地や周辺環境により、土地の価値を最大限に引き出せる活用方法が異なるためです。

利益が出るような土地活用をしたいと考えていても、その地域にとって需要のないものであれば収益にはつながりません

土地の周辺状況・需要を知ることで、その土地の強みを活かした活用方法を見出すことができるでしょう。

相続した土地の種類を考慮する

土地には種類があり、それぞれに適した活用方法が異なります。相続する土地として代表的な種類の概要や特徴・注意点は、以下のとおりです。

遊休地・利用されていない土地のこと
・所有しているだけで「固定資産税」「都市計画税」などの維持費がかかる
農地・野菜や果物などの作物を植え、育てられる土地のこと
「農地転用許可制度」を利用できれば、農地以外で土地を活用できる可能性がある
賃貸経営している土地・駐車場や賃貸物件など、すでに第三者へ賃貸している土地のこと
・諸経費で赤字になっていないか確認が必要

土地の種類によって、法的規制や税制上の扱いが異なるため、活用方法も大きく変わってきます。

法的に適切なうえ、赤字にならないで活用できるといった実現可能性の高い活用方法を選ぶことが必要です。

節税効果が高い方法を選択する

相続した土地の活用方法を選ぶ際、節税効果が高い方法を選ぶことは重要なポイントとなります。土地の活用方法によって、税負担が大きく異なるためです。

例えば、農地を相続した場合、農業を継続すれば農地として評価され、相続税の納税猶予制度の適用を受けられる可能性があります。

土地を賃貸に出した場合は不動産所得として所得税が課税されますが、一定の条件を満たせば、税制上の優遇措置を受けられる場合もあります。

節税効果の高い活用方法を選択することで、より多く利益を得られるでしょう。

相続した土地を活用する際の注意点

相続した土地の活用は収益が見込める方法がある一方で、運用の仕方を間違えれば赤字にもなりかねません。

土地活用を考える際に気をつけたい注意点は、以下のとおりです。

  • ● 数十年単位での収支をシミュレーションする
  • ● 収益が出なかった場合のリスクを考える

これらについて、詳しく解説します。

数十年単位での収支をシミュレーションする

収益化を前提にした活用をするなら、長期的な視点で収支のシミュレーションを行うことが重要です。

建物の建設費用や設備投資など初期費用がかかるだけでなく、固定資産税や維持費など継続して発生するコストがかかる可能性があるためです。

初期費用と継続費用、そして長期的な収益を総合的に考慮し、数年・数十年先まで収支をシミュレーションしましょう。どの程度の期間で初期投資を回収できるのか、長期的に見て収益性が高いのか判断材料にもなり得ます。

収益が出なかった場合のリスクを考える

相続した土地の活用で、継続的に収益を上げられることが理想的です。しかし、常にうまくいくとは限りません。事業が予定通りに進まない場合や、想定していた収益が得られない場合など、さまざまなリスクが存在します。

賃貸の場合は空き家の期間が続くなど、想定したほどの利益にならない可能性もゼロではありません。

収益が出なかった場合の資金繰りや、撤退の方法などを検討しておくことが必要です。また、資金調達の方法や、保険の活用など、リスクヘッジの対策を講じておくことも有効でしょう。

土地を持ち続けることのリスクと経費

土地を所持し続けるにはもろもろ経費がかかることや、場合によってはリスクがあることを理解しておく必要があります。

まず土地の管理や維持をしていくための費用ですが、主に以下のような費用負担が考えられます。

  • ● 固定資産税
  • ● 都市計画税
  • ● 公共料金(電気・水道・ガス)
  • ● 保険料
  • ● 管理業者への委託料

固定資産税は、土地や建物を活用している・していないにかかわらずかかります。自治体により固定資産税にかかる費用はまちまちで、所有資産の評価額に対して1.4%~1.6%前後を掛けた金額を年間で支払うこととなるのです。

また空き家がある場合は、放置し続けると老朽化から家屋倒壊などのリスクがあります。事故を引き起こさないよう、対策を行わなければなりません。

これらの事情から、相続した土地を放置しておくことは避け、活用できる方法を考えられるとよいでしょう。

相続した土地の活用はどこに相談する?

土地活用を考えるなら、税理士やファイナンシャルプランナー・土地活用業者などの専門家に相談することがおすすめです。

土地活用の方向性を決め建物の建設などを行うとなると、数千万円という費用がかかる場合もあります。「うまくいかなかったからやり直し」など、簡単にできない場合が多いのが現実です。

土地活用の専門家ならば、さまざまな観点から土地を分析し、具体的なシミュレーションを行ってもらえます。利益が発生すれば納税の義務が生じることからも、土地活用を開始する段階から税理士などと連携できていることがおすすめです。

また、自身が相続した際だけでなく自分の子供が相続することも考えなければなりません。長い目で土地活用を考える場合、お金に関する専門家であるファイナンシャルプランナーへの相談もよいでしょう。

不安なことが一つでもあったら専門家に相談しよう

相続した土地は、個人で活用するだけでなく、賃貸アパートや駐車場などのように利益を見込んで活用することも可能です。土地の立地や初期費用をどれほど投資できるのかなどにより活用に適した方法が異なります。

利益が出るような土地活用をする場合には、納税の義務が発生することを忘れてはいけません。収支シミュレーションから活用のアドバイス・利益がでたあとの事務的な処理の方法は、専門家への相談がおすすめです。

ひろしま相続・不動産ホットライン」では、不動産・相続の問題をチームでフルサポートする税理士事務所です。相続した不動産の固定資産税の算定だけでなく、活用後の税金関係の手続きまで一貫してお手伝いしています。
相続した土地の活用に悩んだら「ひろしま相続・不動産ホットライン」で、ぜひご相談ください。

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監修者 宅地建物取引士 津田真実